うさぎの鼻涙管閉塞について|その目ヤニ、鼻涙管が原因かも?

バスケットの中のうさぎ

うさぎの鼻涙管閉塞について|その目ヤニ、鼻涙管が原因かも?

丸みを帯びた体にひょっこり伸びた長い耳、小さな口と鼻、そしてまんまるな瞳。
その愛らしい姿から、近年うさぎを家族として迎える方が増えています。
そんなかわいいうさぎにこのような症状は見られませんか?

  • 涙が止まらない、または多くなった
  • 目ヤニが多くなった
  • 目を気にして不快そうにしている

もしかすると、これらの症状は鼻涙管閉塞が原因かもしれません。

今回は、うさぎの目のトラブルでよく見られる鼻涙管閉塞について

  • 鼻涙管とはなにか
  • なぜ鼻涙管閉塞が起こるのか
  • どのような症状があるのか 
  • 主な治療方法 
  • 予防はできるのか

をわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、うさぎさんの健康管理にお役立てください。

そもそも鼻涙管とは?

鼻涙管とは、目から鼻にかけて存在する涙の通路となる構造です。

うさぎに限らず、多くの哺乳類の目の表面は常に涙によって覆われ潤されています。
涙には以下のような作用があります。

  • 目を乾燥から守る
  • 異物を洗い流す
  • 目に栄養を届ける

このように、目の健康を維持する上で涙はとても大切な役割を担っていますね。
うさぎは瞬きの回数が少ないため、常に涙が分泌されています。
涙は涙腺から分泌され、目の表面を覆ったあと、涙点→涙小管→涙嚢→鼻涙管というルートを通って鼻腔へと排出されるのです。

鼻涙管はこのような涙の流れの中で目頭から鼻腔へと繋がる涙の排出口の役割を担っています。
涙の通路がなにかしらの原因で狭くなったり詰まってしまうと、涙が排出されずに目からあふれ出てしまいます。
このような状態が鼻涙管閉塞です。

うさぎの頭蓋骨の模式図

鼻涙管閉塞の状態の模式図

 

鼻涙管閉塞はなぜ起こるのか?

鼻涙管閉塞の原因はさまざまですが、動物病院で多く見られるのは以下の3つに分類できます。

  1. 遺伝的要因による閉塞
  2. 炎症による閉塞
  3. 歯科疾患による圧迫が及ぼす閉塞

それぞれについて、詳しく解説します。

①遺伝的要因による閉塞

遺伝的な要因としてネザーランドドワーフやロップなどの短頭種では、頭蓋骨の構造上、鼻涙管が蛇行しており、先天的に閉塞を起こしやすい傾向があります。
また、うさぎの涙はタンパク質を多く含むため固まりやすく、うさぎでは犬や猫に比べて鼻涙管閉塞が起こりやすい特徴があります。

②炎症による閉塞

結膜炎や鼻炎などの炎症によって生じた目ヤニや鼻水が鼻涙管を塞ぎ物理的な閉塞を引き起こすことも鼻涙管閉塞の原因として挙げられます。

③歯科疾患による圧迫が及ぼす閉塞

うさぎの歯の根元は鼻涙管のすぐ近くにあるため、不合咬合(歯並びの異常)や歯の感染によって鼻涙管が圧迫され、閉塞を引き起こすことがあります。

鼻涙管閉塞の症状

鼻涙管が詰まると、鼻に排出されるはずの涙があふれ出し、以下のような症状が見られます。

  • 涙やけ:目の周りの毛が涙に濡れて変色する
  • 目ヤニの増加:涙の循環が滞り溢れた涙が目ヤニになる
  • 皮膚炎:目の周りの毛が濡れていることにより細菌が繁殖する
  • 傷や脱毛:違和感から、目をこすりつけてしまって傷ができたり脱毛が生じる

このような症状は放置すると悪化してしまいやすいため、早めの診察が大切です。

うさぎの青い目

治療方法

鼻涙管閉塞の主な治療は鼻涙管洗浄となります。
鼻涙管洗浄では、細いカテーテルをまぶたの内側から挿入し、生理食塩水などを流して鼻涙管を洗浄します。
鼻涙管の詰まりを取り除き、また正常に涙が流れて排出するようにすることで症状を改善することが可能です。

原因が物理的閉塞だけでなく、感染症や歯のトラブルにもある場合は鼻涙管の洗浄だけでは根本的な解決になりません。
抗生剤を投与したり、歯科処置を行うなどして原因となる病気の治療も併せて行うことも必要となります。

鼻涙管閉塞は予防できるの?

うさぎの鼻涙管閉塞は完全に予防することが難しい病気です。
しかし、日頃の適切なケアと管理を通してリスクを軽減することが可能です。

例えば

  • 目の周囲を清潔に保つ
  • 定期的な歯のチェック

などが挙げられます。

それぞれ具体的に解説しましょう。

①目の周囲を清潔に保つ

目のまわりが常に湿っていると涙やけなどの色素沈着になるだけでなく、細菌が繁殖しやすくなります。
日頃から目の周りを柔らかいガーゼやコットンなどで優しく拭い、清潔に保つことが大切です。
目の周囲を清潔に保てば異常にも早く気付くことができます。

②定期的な歯のチェック

うさぎでは歯の異常が鼻涙管閉塞に繋がることがあります。
動物病院での定期的な歯のチェックにより、歯の異常を早期に発見・治療することで、鼻涙管閉塞のリスクを減少させましょう。
また歯の異常は食欲不振など他の病気にも繋がりますのでうさぎにおいて定期的な歯のチェックはとても大事です。

まとめ

うさぎの鼻涙管閉塞は、涙やけや目ヤニといった一見ささいな症状から始まります。
しかし、ささいな変化だと思って放置すると皮膚炎や目のトラブルに発展してしまうこともあります。

「ちょっと涙が多いな」
「目ヤニが増えてきたな」

などと思ったら早めに当院へご来院ください。