小鳥のマクロラブダス症について|若いうちの治療が重要?

セキセイインコなどの小鳥は人に懐きやすい性格から人気のあるペットです。
小鳥には小鳥特有の病気がいくつかあります。
その中でも注意が必要なのが小鳥のマクロラブダス症です。
小鳥を飼われている方の中には
「マクロラブダス症ってなに?」
「マクロラブダス症ってどんな症状が出るの?」
「マクロラブダス症って治るの?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
今回は、小鳥のマクロラブダス症について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、大切な小鳥の健康を守るために参考にしてください。
小鳥のマクロラブダス症とは?
小鳥のマクロラブダス症は、マクロラブダスという真菌が胃に感染することで起こる病気です。
小鳥の中でも特にセキセイインコでよく見られます。
マクロラブダス症は以前はメガバクテリア症と呼ばれていました。
マクロラブダス症は聞いたことなくてもメガバクテリア症は聞いたことあるという方もいるかもしれません。
マクロラブダス症は小鳥同士でうつる病気です。
吐き戻した食べ物や便から感染するため、
- ヒナの時に親から餌をもらう
- 同じケージにいる鳥の糞を口にする
などで感染が広がります。
特にヒナの時に感染することが多いため、新しく小鳥を飼い始めた場合は注意が必要です。
マクロラブダス症の症状は?
マクロラブダス症に感染すると、
- 体重減少
- 嘔吐
- 食欲の低下
- 黒い便が出る
などの症状が出ることがあります。
特に黒い便は胃からの出血があるサインです。
胃からの出血を放置すると、衰弱し、命に関わる危険性があります。
マクロラブダス症は感染しても症状が全くないことや数年後に症状が出ることがあります。
症状がないからと言ってマクロラブダス症を治療せずに放置すると、胃がんの原因になることも。
症状のないマクロラブダス症を見つけるためには、日々の健康診断が重要です。
マクロラブダス症の治療
マクロラブダス症の治療では、主に抗真菌薬を使用します。
抗真菌薬でマクロラブダスを駆除することが目的です。
マクロラブダスの駆除には時間がかかるため、途中で治療をやめてしまわないようにしましょう。
また、食欲や元気がない場合は、点滴や強制給餌もあわせて行います。
症状の進行具合によっては入院などが必要になることもあります。
症状に気がついたら早めに動物病院で治療を開始しましょう。
マクロラブダス症の治療は若いうちにやるべき?
マクロラブダス症は小鳥がヒナの時に親からもらうことが多い病気です。
つまりペットショップから買ってきた時にはマクロラブダスに感染している可能性があります。
マクロラブダス症は感染していても症状が全く出ないことや、数年後に症状が出ることもあります。
では、マクロラブダス症は症状が出てから治療をすればいいのでしょうか?
実はマクロラブダス症は1歳になるまでに治療を開始するのがいいとされています。
マクロラブダスは症状がなくても、胃に傷をつける真菌です。
1歳を過ぎてから治療してマクロラブダスがいなくなっても、傷ついた胃は修復されず、胃がんへと進行することがあります。
そのため、マクロラブダス症の治療はなるべく早い方がいいとされます。
マクロラブダスは症状がなくても便から検出されるため、早いうちに健康診断を受けることが大切です。
健康診断でマクロラブダスが見つかった場合は早期に治療を受けましょう。
マクロラブダス症は予防できる?
マクロラブダス症は、ヒナの時に感染している場合が多いため、完全に予防することは難しい病気です。
しかし、早期に治療することで重症化を防ぐことができます。
そのため、
- 症状があれば早めに動物病院を受診する
- 定期的に健康診断を受ける
ことが大切です。
また、マクロラブダス症は小鳥同士でうつる病気です。
多頭飼いをしていると、小鳥同士でマクロラブダス症が広がることもあります。
既に小鳥を飼っていて、新しく小鳥を飼い始める時は、動物病院での健康診断を受けるようにしましょう。
まとめ
マクロラブダス症は、小鳥の胃に深刻な影響を与える病気です。
放置すると命に関わる可能性があります。
体重減少や嘔吐、黒いうんちといった症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
また、小鳥を飼い始めたら健康診断を受けることで早期発見早期治療が可能です。
小鳥の健康を守るためにも定期的な健康診断が重要ですね。
当院では小鳥の診察も受け付けています。
症状がある場合だけではなく、定期的な健康診断も行っていますので、お気軽にご相談ください。