小鳥の卵塞について|お腹の膨らみや食欲の低下は要注意!

セキセイインコやオカメインコといった小型の鳥類は人気のペットの一つです。
小鳥も犬猫と同様に病気にかかることがあります。
しかし、哺乳類と鳥類では体の構造に違いが多く、小鳥に特有の病気も存在します。
その中でも卵塞についてご存じでしょうか?
小鳥を飼われている方の中には
「卵塞って何?」
「卵塞はどんな症状が出るの?」
「卵塞は予防できるの?」
といった疑問をお持ちの方もいると思います。
今回はそんな卵塞について詳しく解説します。
ぜひ最後まで読んで大切な小鳥の健康を守るための参考にしてください。
小鳥の卵塞とは?
鳥類は哺乳類と違って産卵をします。
卵塞は、メスの鳥が卵をうまく産むことができず、体内に卵が詰まってしまう病気です。
飼育下の鳥は、野生の鳥よりも発情しやすく、頻繁に産卵する傾向があるため、卵塞が起こりやすいといわれています。
小鳥の卵塞の症状は?
卵塞になると、
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- お腹が膨らむ
- 便が出ない
- 呼吸が苦しそう
などの症状が出ることがあります。
卵塞は放置すると小鳥の体に大きな負担がかかり、命に関わることもある病気です。
特に小鳥は食欲がなくなるとすぐに衰弱してしまいます。
気になる症状が見られた場合は、様子を見ずにすぐに動物病院を受診しましょう。
小鳥の卵塞はどうやって治療するの?
卵塞の治療にはいくつか方法があります。
主に
- 内科治療
- 圧迫による卵の押し出し
- 外科治療
の3つです。
まず内科治療を行った上で、卵塞が治らない場合には圧迫や外科治療を行うことが多いです。
それぞれ解説していきましょう。
内科治療
カルシウム剤を注射していきみを促し、産卵させる方法が一般的です。
食欲や元気がない場合には、あわせて点滴や栄養補給も行われます。
注射だけではなく内服でカルシウム剤を使用することもあります。
圧迫による卵の押出し
圧迫による卵の押出しは、小鳥のお腹を押しながらゆっくり卵を排出させる方法です。
内科治療で効果がない場合には、この方法を取ることがあります。
卵が割れてお腹の中に卵の中身が出てしまうと炎症が起こるため、慎重に圧迫する必要があります。
小鳥のお腹に卵がある状態で、ご自宅で無理にお腹を押すと命に関わるので必ず動物病院で処置してもらいましょう。
外科治療
外科治療はお腹を開けて卵が詰まっている卵管を切開することで卵を取り出す方法です。
内科的な治療や圧迫で卵が出せない場合、全身麻酔をかけて外科的に卵を取り出します。
小鳥は犬猫と比べても麻酔のリスクが高く、適切な処置を行っても術後死亡してしまう可能性もあります。
しかし、卵塞をそのままにしておくことは小鳥にとって危険です。
内科治療や圧迫で卵が出ない場合は、外科治療が最善の方法です。
卵塞は予防できる?
卵塞を防ぐためには、発情を抑制することが重要です。
また発情していても適切な栄養管理をすることで卵塞を防ぐことができます。
卵塞を予防する具体的な方法は
- 発情しにくい環境を作る
- カルシウムをしっかり与える
- 定期的に健康診断を受ける
です。
それぞれ解説していきましょう。
発情しにくい環境を作る
発情しにくい環境については、小鳥の種類によっても異なりますが、食べすぎは発情を促す要因の一つです。
多くの小鳥はたくさん食べて脂肪を蓄えることで発情しやすくなってしまいます。
太りすぎは他の病気を引き起こすこともあるので、適切な食事量が重要です。
その他にも部屋を明るくしている時間の長さなどで発情を引き起こすことがあります。
発情しにくい環境づくりに関しては、よく獣医師に相談しましょう。
カルシウムをしっかり与える
カルシウムが不足すると卵塞を引き起こしやすくなります。
カルシウム剤を食事に混ぜたり、カルシウムがあらかじめ含まれているペレットを与えたりするようにしましょう。
定期的に健康診断を受ける
小鳥は症状を隠しやすく、症状が出るころには重症化していることもあります。
飼育環境や小鳥の健康状態を定期的に動物病院で確認することも卵塞の予防には重要です。
まとめ
卵塞は小鳥の体に卵が詰まってしまう病気です。
放置すると命に関わることもある怖い病気であるため、少しでも異変を感じたらすぐに動物病院で相談しましょう。
卵塞は適切な飼育環境や栄養管理で予防ができる病気です。
卵塞を引き起こさないためにも日ごろの飼育環境について見直してみましょう。
当院では小鳥の診察も受け付けています。
症状がある場合だけではなく、日々の健康診断や飼育相談も受けていますので、気になることがある場合はお気軽にご相談ください。