モルモットの外部寄生虫症について|健康診断が重症化を防ぐ?

2匹のモルモット

モルモットは可愛らしい鳴き声と人懐こい性格で人気の動物です。
モルモットを飼われている方の中に
「最近モルモットが体をかゆがっている」
「毛が抜けてきた」
「皮膚に炎症がある」
といった異常を感じたことはありませんか?
もしかしたら外部寄生虫症という病気が原因かもしれません。

今回は、モルモットに特有の寄生虫が原因で発生する外部寄生虫症について詳しく解説します。
ぜひ最後まで読んで、大切なモルモットの健康管理に役立ててください。

モルモットの外部寄生虫症とは?

モルモットの外部寄生虫症とは、ダニやハジラミなどの寄生虫がモルモットの皮膚や毛に付着して悪さをする病気です。
特にモルモット特有の寄生虫として

  • モルモットセンコウヒゼンダニ
  • モルモットズツキダニ
  • モルモットハジラミ

などがあります。
外部寄生虫の多くはペットショップで購入した時点で感染していることが多いです。
もちろん寄生虫なので、他のモルモットからうつることもあります。

外部寄生虫症の症状は?

外部寄生虫症にかかると

  • 強いかゆみ
  • 全身の脱毛
  • 皮膚の炎症

などの症状が見られることがほとんどです。
モルモットはストレスにあまり強くないため、外部寄生虫症を放置すると強いかゆみにより

  • けいれん
  • 失神
  • 食欲不振

などを起こすことがあります。
体力のないモルモットなどは、命を落としてしまう可能性もある病気です。
たかが痒みと思わずに、モルモットに皮膚の症状がある場合は早めに動物病院を受診しましょう。

外部寄生虫症の治療方法

外部寄生虫症の治療は寄生虫駆除薬で外部寄生虫を駆除することが第一選択です。
その他にも症状に合わせて治療を行っていきます。
それぞれ詳しく説明していきましょう。

寄生虫駆除薬

病院で検査をして、寄生している寄生虫に合わせて駆除薬を使用します。
駆除薬の多くは何度か使用することで効果がでます。
完全に寄生虫の駆除が完了したかどうかを含めて、しっかり病院で検査しながら使用していきましょう。

市販の駆除薬って使ってもいいの?

寄生虫駆除薬は市販のものも存在します。
犬や猫などで使用している方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、モルモットは駆除薬の種類によっては体に有害なものもあります。
最悪の場合命を落とす可能性もあります。
市販の駆除薬は使用せずに、必ず獣医師に相談して処方してもらいましょう。

補助療法

寄生虫そのものの駆除だけではなく、寄生虫による皮膚の症状や体調に応じて治療を行います。
食欲がなければ強制給餌や点滴を行ったり、かゆみが強ければかゆみ止めや抗生剤を使うこともあります。
症状が重いと寄生虫駆除以外の治療に時間がかかるため、早期発見早期治療が重要ですね。

清掃と消毒

外部寄生虫症は、外部寄生虫による感染症です。
モルモットを飼育しているケージや、部屋にも外部寄生虫がいる可能性があります。
ご自宅の清掃や消毒をしないと、せっかく寄生虫を駆除しても再感染してしまうおそれがありますね。
外部寄生虫症だと判明したら、モルモットの飼育環境を一度綺麗にしましょう。

外部寄生虫症の予防方法は?

外部寄生虫症はペットショップから購入した時にはすでに感染してくることも多く、完全に予防ができるわけではありません。
しかし、早めに発見し治療を開始すれば重症化は防げる病気です。
外部寄生虫症の重症化を防ぐためには、

  • 飼育直後の健康診断をうける
  • 定期的にグルーミングをする
  • 飼育環境の清掃をする
  • 感染したモルモットと接触しない

などが重要です。

健康診断は行くべき?

モルモットは犬猫とは違い、ワクチンなどもないため、病気になって初めて動物病院に行くという方も少なくありません。
しかし、なにも症状がなくても健康診断を受けることはとても大切です。

外部寄生虫症はペットショップから感染することが多い病気だということはお話した通りです。
そのため飼育直後や、新しいモルモットをお迎えする場合は必ず健康診断を受けて外部寄生虫症がいないか確認しておきましょう。
最初の健康診断ではたまたま外部寄生虫症が見つからなかったという場合もあります。
健康診断は定期的に受けるようにしましょう。
ご自宅でもモルモットの体を触って、違和感や症状がないかを確認することも大事です。

子供とモルモット

まとめ

モルモットの外部寄生虫症は、モルモットに特有の寄生虫がひきおこす病気です。
強いかゆみが出ることが多く、モルモットにはかなりのストレスになります。
外部寄生虫症は早期に適切な治療を行うことで、症状も少なくすむ可能性が高いです。
モルモットが体をかゆがったり、皮膚に炎症が見られたりした場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

モルモットの定期的な健康診断も病気の予防としておすすめです。
当院ではモルモットの外部寄生虫症をはじめとした病気の対応だけではなく、健康診断も受け付けています。
モルモットのことでお困りのことがあれば遠慮なくご相談ください。