フェレットのインスリノーマについて|後ろ足のふらつきは危険信号?

フェレットは大人しく人懐こい性格から人気のあるペットです。
実はフェレットにはかかりやすい病気がいくつかあります。
その一つがインスリノーマという病気です。
「インスリノーマって何?」
「どんな症状が出るの?」
「治療方法はあるの?」
このような疑問をお持ちのご家族の方もいると思います。
今回は、フェレットのインスリノーマについて詳しく解説します。
ぜひ最後まで読んで、大切なフェレットの健康管理に役立ててください。
フェレットのインスリノーマとは?
フェレットのインスリノーマは、膵臓に発生する腫瘍が原因で血糖値を低下させてしまう病気です。
膵臓はインスリンという血糖値を下げるホルモンの分泌を担う臓器です。
膵臓に腫瘍ができるとインスリンが過剰に分泌されてしまい、低血糖になってしまいます。
フェレットの腫瘍の中では最も発生率が高く、特に4歳以上の中高齢のフェレットに多く見られる病気です。
インスリノーマの症状は?
インスリノーマによる低血糖によって
- 元気がなくなる
- 後ろ足のふらつき
- よだれを垂らす
- けいれん
- 意識障害
などの症状が見られることがあります。
特に後ろ足のふらつきは特徴的で、ほふく前進のような歩き方をしている場合は注意が必要です。
初期症状は「なんとなく大人しい」「元気がない」といった軽いものが多いです。
しかし、進行すると症状が重症化します。
特にけいれんや意識障害は命に関わる症状です。
症状が軽いうちに治療を開始することが大切ですね。
ただし、フェレットは健康であっても中高齢になると大人しくなる動物です。
インスリノーマの初期症状と区別がつかないこともあります。
普段から定期的な健康診断を受けておくようにしましょう。
インスリノーマの治療はどうするの?
インスリノーマの治療には
- 内科療法
- 外科療法
- 食事療法
があります。
3つの治療方法を組み合わせることもあれば、単独で行うこともあります。
それぞれ解説していきますね。
内科療法
内科治療はステロイド剤を使用して血糖値を下げすぎないようにコントロールする治療法です。
体への負担が少なく、第一選択となることが多いです。
インスリノーマは低血糖がコントロールできれば、症状が落ち着きフェレットの生活の質をあげることが可能です。
治療をしているご家族の中には症状がなくなったからと言って、治療の最中で内服をやめてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、症状が落ち着いていてもインスリノーマ自体が治ることはありません。
内服をやめると症状が悪化してしまい、重症化するケースもあります。
治療の継続に関しては獣医師とよく相談しましょう。
外科療法
外科療法では全身麻酔下で腫瘍を摘出する手術を行います。
しかし、インスリノーマは腫瘍をすべて取り切ることが難しい腫瘍です。
手術後も血糖値が安定しない場合もあります。
血糖値が安定しない場合は、術後に内科療法や食事療法を合わせて行います。
フェレットの年齢や体調に応じて適切な治療法を選ぶことが重要です。
食事療法
食事療法は食事によって血糖値のコントロールを行う治療です。
内科療法や外科療法とあわせて行うことが多い治療法ですね。
食事療法の内容としては
- 糖分の多いおやつやフェレットバイトは与えない
- 良質な動物性タンパク質と脂質を含む食事を中心にする
- 4~6時間おきにこまめに食事を与える
などになります。
インスリノーマって予防できるの?
インスリノーマを完全に予防する方法は残念ながらありません。
しかし、重症化する前に治療を開始することで、フェレットの生活の質をあげることは可能です。
早めにインスリノーマに気づき治療を開始できるように、普段から健康管理をしておくことが大切ですね。
特にインスリノーマになりやすい中高齢のフェレットは定期的な健康診断をおすすめします。
まとめ
インスリノーマは、膵臓に発生する腫瘍が原因で血糖値を下げる病気です。
中高齢のフェレットにかかりやすく、フェレットがなりやすい腫瘍です。
治療せずに放置すると低血糖が重度になり、最悪の場合亡くなってしまいます。
初期症状はなんとなく大人しい、元気がないというものなので、少しでも異変を感じたら早めに動物病院で相談しましょう。
インスリノーマは低血糖のコントロールができれば、フェレットも普段通りの生活が可能です。
治療には根気が必要ですが、しっかり獣医師と相談しながら治療していきましょう。
当院では、フェレットのインスリノーマを始めとした診察が可能です。
フェレットの元気がない、後ろ足がふらつくなどの症状が見られた場合は、ぜひ早めにご相談ください。