フェレットの副腎疾患について|フェレットの脱毛は要注意

2匹のフェレット

フェレットは食肉目イタチ科に分類される動物です。
好奇心旺盛で人になつきやすいため、ペットとしても人気が高いフェレット。
そんなフェレットは副腎疾患という病気にかかりやすいことをご存知でしょうか?
「副腎疾患って何?」
「どんな症状が出るの?」
「治療法はあるの?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
今回は、フェレットの副腎疾患について詳しく解説します。
ぜひ最後まで読んで、フェレットの健康管理に役立ててください。

フェレットの副腎疾患とは?

フェレットの副腎疾患は、副腎が大きくなったり腫瘍ができたりする病気です。
副腎とは腎臓の近くにある小さな臓器で、性ホルモンを分泌する役割を果たしています。
副腎に異常が起こると、性ホルモンの分泌量が異常に増え、さまざまな症状を引き起こします。
3歳以上のフェレットの70%が副腎疾患になると言われているため、フェレットでは非常によく見られる病気です。

フェレットの副腎疾患はどんな症状が出る?

副腎疾患では、

  • 左右対称の脱毛
  • メスの陰部の腫れ
  • 尿が出にくくなる
  • 皮膚のかゆみ

などの症状が出ることがあります。
症状を放置していると全身状態が悪くなって最悪の場合死につながります。

副腎疾患の中でも、特に脱毛は最もよく見られる症状です。
多くの場合は尻尾から始まり背中まで脱毛が広がることもあります。
脱毛が気になって病院へ行き、エコーなどで副腎疾患が診断されることが多いです。
フェレットに脱毛が見られたら早めに動物病院へ連れていきましょう。

寝ているフェレット


副腎疾患はどんな治療をするの?

フェレットの副腎疾患の治療法としては、内科治療と外科治療の2つがあります。

内科治療

副腎疾患の治療で、一番多く選択されるのは内科治療です。
副腎からの性ホルモンの分泌を抑える薬を注射するのが一般的です。
月に1度の頻度で注射をすることで、症状をコントロールできます。
内科治療のメリットとしてはフェレットへの負担が少ないことがあげられます。
しかし、副腎自体の異常はそのままになってしまうため、長期で継続的な治療が必要になることがデメリットです。

外科治療

副腎が大きくなりすぎている場合や、内科療法で症状が改善しない場合には、外科治療が選択されます。
外科治療とは全身麻酔をかけて手術で副腎を摘出する方法です。
外科治療では副腎そのものをとってしまうことで、根治が期待できるのが最大のメリットです。
では外科治療で副腎をとってしまえば、もう症状は出ないのでしょうか?

外科治療で副腎をとれば症状は出ない?

外科治療で副腎をとるメリットは、上でお伝えした通り根治が期待できることです。
では異常がある副腎をとったら、もう副腎疾患の症状は出ないのでしょうか?

実は片側の副腎をとる手術をしても、もう片方の副腎に異常が出ることがあります。
残っている副腎に異常が出れば、また副腎疾患の症状が出てしまいますね。
副腎は両方ともとってしまうと、血圧や血糖に異常が出ることがあります。
そのため、両方の副腎を取ることはできません。
残った副腎に異常が出た場合は、内科治療で症状をコントロールしていくことになります。

もちろんフェレットの体の状態によっては、外科手術をした方がいい場合があります。
どちらの治療方法を選ぶのかは、よく獣医師と相談しましょう。

フェレットの副腎疾患は予防できる?

実はフェレットの副腎疾患に、はっきりとした予防方法はありません。
しかし、フェレットの食事と運動をバランスのいいものにすることで、ホルモンバランスを整えて副腎疾患になるリスクを減らすことはできます。

またフェレットの副腎疾患は早期に治療を開始すれば、あまり症状が出ずにすむことがあります。
定期的な健康診断をうけることで、早いうちに副腎の異常を見つけて治療を開始することができますね。

まとめ

フェレットの副腎疾患は、3歳以上の多くのフェレットがかかる病気です。
脱毛の症状が特に多く見られるため、脱毛が気になった場合は早めに動物病院へ連れていきましょう。
放置すると病気が進行し、命に関わる場合もあります。
早期発見と適切な治療が重要です。

当院では、フェレットの副腎疾患にも対応しています。
フェレットの体調に不安を感じた際や、脱毛などの症状が見られる場合は、ぜひご相談ください。