犬の環軸亜脱臼について|小型犬に多い首の病気と治療法を解説

犬の環軸亜脱臼について|小型犬に多い首の病気と治療法を解説
「最近首の曲げ伸ばしを痛がっている気がする」
「ソファから落下してからなんだか犬の首がおかしい」
「抱っこすると嫌がって鳴くようになった」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
もしかしたら、犬の環軸亜脱臼かもしれません。
犬の環軸亜脱臼は、小型犬に多い首の病気です。
今回は、環軸亜脱臼の原因や症状、治療法について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の首を病気から守るための参考にしてください。
犬の環軸亜脱臼って何?
犬の環軸亜脱臼とは、首の1番目の骨(環椎)と2番目の骨(軸椎)の間の関節が正常な位置を保てなくなる病気です。
環椎と軸椎の関節が不安定になることで神経を圧迫し、痛みや麻痺を引き起こします。
放置すると呼吸障害を起こす可能性もある怖い病気です。
犬の環軸亜脱臼の原因は?
犬の環軸亜脱臼は先天性の奇形や外傷によって起こります。
先天性の奇形は小型犬に多く、特に
- チワワ
- トイプードル
- ヨークシャー・テリア
- ポメラニアン
などにみられます。
外傷による環軸亜脱臼は、主にジャンプや落下などによる怪我が原因です。
外傷による環軸亜脱臼は、犬種に関係なく起こることがあるので注意が必要ですね。

環軸亜脱臼の症状は?
環軸亜脱臼の主な症状は首の痛みです。
首の痛みにより
- 首を曲げたり伸ばしたりするのを嫌がる
- 頭を動かさず、目だけで物を追う
- 抱っこしたときにキャンと鳴く
といった行動をとることがあります。
環軸亜脱臼が進行すると神経症状がみられることもあり、
- 足のふらつきや転倒
- 前肢や後肢の麻痺
- 呼吸障害
が起こることもあります。
放置すると重症になって最悪呼吸が止まってしまうこともあるため、早期の治療が重要です。
最近、愛犬が首を痛がる様子があると感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。
環軸亜脱臼の治療法は?
犬の環軸亜脱臼の治療には、保存療法(コルセット固定)と外科手術の2つの選択肢があります。
それぞれ解説していきましょう。
保存療法(コルセット固定)
犬の環軸亜脱臼の治療の一つに保存療法があります。
軽症の場合や手術が難しい場合に、首を動かさないようにコルセットで固定する方法です。
保存療法のメリットは
- 体への負担が少ない
- 高齢犬や持病がある犬にも適用可能
ということです。
しかし、保存療法だけでは完治が難しく、再発することもあるため、根本の解決にはなりません。
外科手術
環軸亜脱臼を根本的に治療するためには、外科手術が第一選択になります。
外科手術では、ずれた環椎と軸椎を正しい位置に戻して骨にピンを刺し、セメントで固める方法がとられます。
外科手術は首の痛みが取れることが1番のメリットです。
手術が成功すれば、痛みや神経症状が改善し、快適に過ごせる可能性が高まります。
術後は安静が必要?
犬の環軸亜脱臼の術後は首の安静が重要です。
しばらくはコルセットを装着し、首の動きを制限することになります。
具体的には骨がしっかりとつくまで、1〜2ヶ月ほどの安静が必要です。
術後も激しい運動などはせずに、しっかりと通院しながら、完治を目指していきましょう。
まとめ
犬の環軸亜脱臼は小型犬に多い病気であり、進行すると四肢の麻痺や呼吸障害を引き起こすこともある怖い病気です。
軽症であればコルセット固定で症状が落ち着くこともありますが、根本的に治療するには手術が必要になります。
環軸亜脱臼は早期に治療をすることで、犬が通常の生活に戻ることが可能です。
首の痛みや動きの異常が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
当院では環軸亜脱臼の手術を始めとした整形外科の治療も行っています。
犬が首を痛がっている時は環軸亜脱臼の可能性も考えて、早めに当院へご相談ください。
Q.犬が首を少し痛がるだけでも環軸亜脱臼の可能性はありますか?
A.犬が首を触られるのを嫌がったり、抱っこで鳴いたりする場合には、環軸亜脱臼の初期症状である可能性があります。
軽い痛みだけの段階でも不安定性が隠れていることがあるため、早めに画像検査を含めた評価を受けることが大切です。
Q.小型犬でなければ環軸亜脱臼にはなりませんか?
A.小型犬に多い病気ではありますが、外傷がきっかけであればどの犬種でも発症することがあります。
ソファからの落下や強い衝撃のあとに首の異常がみられる場合は、犬種に関わらず注意が必要です。
Q.手術をすれば必ず安全に治りますか?
A.環軸亜脱臼は外科手術によって首の不安定性を改善できる可能性は高いです。
ただし、神経の状態や発症からの時間によって回復の程度は異なります。
重度の神経症状がある場合には慎重な判断が必要になることもあります。