
猫にこんな症状、見られませんか?
- ごはんを食べたがらない
- いつもより元気がない
- 下痢や嘔吐が続いている
- 呼吸が苦しそうにみえる
- 尿の量や回数がおかしい
- 足をかばって歩いている
- 皮膚の様子がおかしい
- 目が赤くなっている
- よだれが多くなっている
愛猫にこうした様子が見られたことはありませんか?
猫の体調の変化は、ほんの些細なサインから始まることが多いです。
「なんとなく元気がない」
「いつもより静かに感じる」
そんな違和感が、実は病気の初期症状ということもあります。
猫は本来、体調の悪さを隠す習性を持った動物です。
目に見える症状が出たときには、すでに病状が進行しているケースも少なくありません。
だからこそ、日常の小さな変化にいち早く気づき、早めに受診することが健康を守る第一歩になります。
当院では、猫に特化したやさしい診療環境を整え、幅広い症状に対して的確な診断と治療を行っています。
食欲がない場合
猫の食欲低下は、消化器の異常だけでなく、内臓の疾患や精神的なストレスなど、さまざまな原因で起こります。
また、猫は「全く食べない状態」が続くと、脂肪肝(肝リピドーシス)という重い病気を発症するリスクがあります。
とくに肥満気味の猫では注意が必要です。
考えられる主な病気は以下の通りです。
- 胃腸炎、膵炎などの消化器疾患
- 腎臓病、肝臓病などの内臓疾患
- 歯の痛み(口内炎、歯周病、口腔内腫瘍など)
- 発熱やウイルス感染症(猫風邪、猫白血病など)
- ストレスや環境の変化、熱中症
「好物のおやつだけは食べるけど、ごはんを残す」というような場合も、見過ごさないようにしましょう。
食欲の低下が半日〜1日以上続く場合は、なるべく早めの診察をおすすめします。
食欲はあるけど痩せてきている場合
食べる量は普段通り、あるいはむしろ増えているのに、体重が少しずつ減ってきている。
そんなときには、栄養の吸収に問題があるか、代謝が異常に高まっている可能性が考えられます。
若い猫の場合は、
- 寄生虫感染
- 炎症性腸疾患(IBD)
- 膵外分泌不全
- 食物アレルギー
などが原因となることがあります。
一方で、高齢の猫に見られる体重減少は、
- 甲状腺機能亢進症
- 慢性腎臓病
- 糖尿病
- 腫瘍(リンパ腫など)
といった慢性疾患が背景にあることも少なくありません。
痩せてきたことに気づいたら、まずは体重を記録しておき、変化が続くようであれば検査を受けることをおすすめします。
いつもより元気がない場合
「最近なんだか寝てばかりいる」
「声をかけても反応が薄い」
そんなときは、体に何らかの異常が起きているサインかもしれません。
猫は本能的に不調を隠す動物であるため、外から見える症状が少ないことも珍しくありません。
いつも通りに見えていても実はぐったりしていることがあります。
考えられる主な病気には、
- 発熱や感染症(猫風邪、FIPなど)
- 心疾患(肥大型心筋症)
- 内分泌疾患(糖尿病、甲状腺異常)
- 腫瘍
- 貧血
- 高齢による体力の低下
などが挙げられます。
急に元気がなくなった、明らかに動きが鈍くなったといった場合は、早めに受診するようにしましょう。
下痢や嘔吐がある場合
猫は比較的吐きやすい動物ではありますが、
- 吐く頻度が多くなっている
- 元気や食欲も落ちている
- 嘔吐や下痢が何日も続いている
などの場合には、病気を疑う必要があります。
下痢や嘔吐を引き起こす主な病気としては、
- 胃腸炎、食中毒
- 膵炎
- 腸閉塞
- ウイルス性疾患(猫汎白血球減少症など)
- 異物誤飲
- 食物アレルギー
- 炎症性腸疾患(IBD)
- 寄生虫感染
などが挙げられます。
また、未避妊のメス猫では、子宮蓄膿症などの疾患により嘔吐や食欲不振が起こることもあります。
子猫や高齢猫では脱水による影響が出やすいため、軽い症状でも早めのご相談をおすすめします。
呼吸が苦しそうな場合
猫の呼吸がいつもより速い・浅い、開口呼吸をしているなどの症状が見られた場合には、肺や心臓の病気が隠れているかもしれません。
考えられる主な病気には、
- 肥大型心筋症
- 胸水・肺水腫
- 猫喘息
- 肺炎、気管支炎
- 気胸、肺腫瘍
などがあります。
猫は呼吸の異常を我慢して隠すことが多く、症状が表に出てきたときにはすでに危険な状態に近づいている可能性も。
とくに猫は犬と違ってほとんど口を開けて呼吸をしません。
口を開けて「息苦しそう」と感じたら、迷わず動物病院を受診してください。
尿の量や回数が変わった場合
「何度もトイレに行くのに、尿が出ていない」
「トイレのあとに鳴く」
「おしっこの色やにおいがいつもと違う」
こうした排尿の変化は、泌尿器のトラブルを知らせるサインです。
考えられる主な病気は
- 膀胱炎
- 尿石症(膀胱結石・尿道結石)
- 尿道閉塞(とくにオス猫に多い)
- 慢性腎臓病
- 糖尿病
などがあります。
とくに尿がまったく出ないといった症状がある場合は、緊急性が高い状態です。
猫の排尿異常は数時間で命に関わることもあるため、すぐに受診してください。
足をかばって歩いている場合
猫が足を引きずったり、ジャンプをしなくなった場合、痛みや違和感を抱えている可能性があります。
とくに猫は、足に痛みがあっても鳴いたりしないことが多いため、日常の行動の変化から気づいてあげることが大切です。
こんな様子が見られたら注意しましょう。
- 片足を浮かせて歩く
- 歩き方がぎこちなくなる
- 階段やキャットタワーに登らない
- 爪研ぎやジャンプを嫌がる
考えられる主な病気には、
- 骨折・脱臼
- 関節炎(高齢猫や肥満傾向の子に多い)
- 筋肉や腱の損傷
- 神経障害(椎間板ヘルニアなど)
- 肉球の外傷や異物刺入
- 動脈血栓塞栓症
などがあります。
外に出る猫ではケンカによる咬傷や打撲が原因で、気付かないうちにケガをしていることもあるため注意が必要です。
また、外傷や神経の異常以外でも肥大型心筋症による血栓塞栓で足を引きずっている可能性もあります。
血栓の塞栓は早期に治療しないと命に関わることがある怖い状態です。
「いつもと動きが違うな」と感じたら、様子を見ず早めの受診をおすすめします。
皮膚に異常がある場合
猫の皮膚はとてもデリケートで、赤み・かゆみ・脱毛など、さまざまなトラブルが起こることがあります。
とくにグルーミングが過剰になることで、症状が悪化してしまうケースも多く見られます。
以下のような様子は皮膚の病気を疑うサインです。
- 毛が抜けて地肌が見える
- フケが多くなる
- 皮膚に赤み・かさぶたがある
- 舐め続けている、引っかいている
- 耳のにおいやベタつきが強い
考えられる主な病気としては
- アレルギー性皮膚炎(食物・ノミ・環境)
- 皮膚糸状菌症(カビの感染)
- 疥癬や耳ダニ感染
- 舐性皮膚炎(ストレス性)
- ホルモン異常による脱毛
などがあります。
皮膚の病気は長引くことも多く、原因によっては人や他の動物にうつるものもあるため、早期診断と適切なケアが重要です。
症状が軽いうちにご相談いただければ、猫の負担も軽減できます。
目に異常がある場合
猫の目に赤みや涙、目やになどの症状が見られるときは、目の病気やウイルス感染のサインかもしれません。
猫は目の異常があると前足でこすって悪化してしまうことがあります。
気になる症状としては
- 目が赤い・充血している
- 涙が増える
- 黄色や緑色の目やにが出ている
- まぶたが腫れている
- 目を開けづらそうにしている
などがあります。
考えられる主な病気は
- 結膜炎(猫ウイルス性鼻気管炎に伴うものが多い)
- 角膜炎・角膜潰瘍
- ヘルペスウイルス感染症
- 緑内障
- 前眼部の腫瘍
などです。
目の病気は進行が早いものもあり、放置すると視力を失ってしまうことも。
「目がしょぼしょぼしている」「目やにがいつもと違う」など、小さな変化でも早めにご相談ください。
よだれが多い・口の中に異常がある場合
猫のよだれが多い、口の中を気にしている、といった様子が見られたときは、口腔内に強い痛みや違和感がある可能性があります。
とくに猫は食べることに慎重な動物のため、わずかな口内の不快感でも食欲が落ちることがあります。
以下のような症状は要注意です。
- よだれが垂れている
- ごはんを食べにくそうにしている
- ごはんの前でうろうろするが食べない
- 口臭がきつくなっている
- 口を気にして前足でこすっている
考えられる主な病気
- 歯肉口内炎(猫で非常に多い)
- 歯周病、歯槽膿漏
- 口腔内の腫瘍
- 異物の刺さり、外傷
特に猫の歯肉口内炎は慢性化しやすく、強い痛みを伴うことが多い病気です。
「以前より食べづらそう」「やわらかいものしか食べないようになった」などの様子があれば、早めの診察をおすすめします。
お気軽にご相談ください。048-297-8770午前:9:00-12:00 午後:15:00-19:00 土日祝は18:00まで
夜間・救急連絡先:090-9109-8770