犬の皮膚が赤い!|犬の皮膚炎の原因について解説します

犬の皮膚が赤い!|犬の皮膚炎の原因について解説します
動物病院に日々来られる飼い主様のなかには、「犬の皮膚が赤い!」という方がとても多いです。
愛犬とのスキンシップのときに皮膚の異常に気が付いたことのある飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬は皮膚の病気になりやすく、皮膚病は動物病院でも最も相談の多い分野のひとつです。
今回は、犬の皮膚の赤みの原因について詳しく解説します。
この記事が、犬を飼っている飼い主様にとって身近な病気である皮膚病について、詳しく知るきっかけになれば幸いです。
犬は皮膚炎をおこしやすい?
犬は皮膚病が多いと冒頭でお話ししましたが、それはなぜでしょうか。
それは、犬の皮膚がアルカリ性に傾いているためです。
皮膚はアルカリ性に傾いていると、皮膚のバリア機能や新陳代謝に悪く作用することが分かっています。
実際に人間のアトピー性皮膚炎では、皮膚がアルカリ性に傾いたときに症状が悪化するといわれています。
これが弱酸性のソープが肌に優しいといわれる理由ですね。
犬の皮膚はもともとアルカリ性に傾いているため、皮膚のバリア機能が低く、感染症やアレルギー性皮膚炎も発症しやすいです。
皮膚が赤くなる病気
人間の皮膚は暑さで赤くなりますが、犬の場合皮膚での放熱はメインでは起こりません。
そのため、犬の皮膚が赤くなるのは炎症による反応であることがほとんどです。
それでは、皮膚が炎症を起こす代表的な病気をご紹介します。
膿皮症
膿皮症とは、犬の赤みの原因となる皮膚炎の中でも最も一般的な細菌による感染性皮膚炎です。
犬の膿皮症の主な原因である細菌は黄色ブドウ球菌で、人間にとっては問題のない細菌です。
黄色ブドウ球菌は、皮膚の状態が悪いときや皮膚の弱い部分に皮膚炎をおこします。
膿皮症の皮膚炎は赤くなるだけでなく、表皮小環と呼ばれる円形に薄く表面の皮膚がはがれる発疹を起こすのが典型的です。
かゆみがあることが多く、ひどくなると赤くジュクジュクしてくることもあります。
真菌症
真菌による皮膚炎でも皮膚に赤みが出ることがあります。
犬で一般的な真菌症は、マラセチア皮膚炎や糸状菌症です。
マラセチア皮膚炎では、皮膚の赤みだけでなく独特なにおいや毛のべたつきなどの症状も出ます。
犬では耳や脇など通気性の悪い部位に多く発症します。
糸状菌症の特徴は、リングワームという赤い輪のような発疹です。
糸状菌症は人間にも感染し、皮膚炎を起こすことがあるので注意が必要です。

寄生虫疾患
寄生虫の感染によって皮膚が赤くなることがあります。
犬で多いのはニキビダニ症や疥癬で、他の全身疾患により犬の免疫力が低下することによる感染が多いです。
ノミやダニなどの外部寄生虫による皮膚炎はかゆみを伴い、全身をかきむしるようになります。
犬アトピー性皮膚炎
犬アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎の一種で、ハウスダストなどの環境中の物質に対するアレルギー反応です。
犬アトピー性皮膚炎はかゆみが主な症状で、全身の中でも足先や脇など皮膚の弱い部分から赤くなります。
犬アトピー性皮膚炎は季節性があることが多く、夏に悪化するのが典型的です。
食物アレルギー
食物アレルギーも犬では一般的なアレルギー性皮膚炎で、強い炎症により赤みが出ます。
犬の食物アレルギーは、ぺットフードに含まれる牛肉や豚肉などの動物性たんぱく質に反応していることが多いです。
赤くなる部位はアトピー性皮膚炎と似ていますが、食物アレルギーではかゆみが強いので、背中や顔周りにも赤みが出ます。
食物アレルギーの症状は、原因である食物を摂取している限り年中続きます。
食物アレルギーは1歳未満の子犬での発症が典型的で、下痢などの消化器症状が出ることも多いです。
自己免疫疾患
皮膚に赤みの出る自己免疫性疾患として代表的なものには、天疱瘡があります。
天疱瘡の原因は、皮膚の構造の一部に対する自己抗体による免疫反応です。
天疱瘡による皮膚炎では、皮膚の表面がぼろぼろと崩れ落ち、その下の皮膚が赤くジュクジュクしてきます。
天疱瘡では目の周りや鼻の頭に左右対称に皮膚炎が発生し、かゆみや痛みが出ることもあります。
外傷
犬の外傷は、偶然怪我をして赤くなるケースだけではなく、犬自身が自分を傷つけることもよくある原因です。
犬はストレスを感じると足先や太ももの外側をしつこくなめたり噛んだりして、落ち着こうとします。
この行動が過度になると、その部分の毛がなくなり、次第に皮膚が赤くなっていきます。
異物
皮膚の中に小さい草の葉などの異物が入り込んで炎症を起こし皮膚が赤くなることもあります。
犬の異物による皮膚炎は、指と指の間に発症することが多いです。

皮膚の赤み、放っておくとどうなる?
犬の皮膚炎は、犬自身の免疫力で自然治癒することも多く、実際気づかれないうちに発症し治癒することも多いです。
しかし原因によっては、治療が行われない限り皮膚炎が続いたり悪化していくこともあります。
炎症が長期間持続し皮膚の状態が悪くなると、細菌感染を起こしやすくなります。
これを二次感染といい、皮膚が膿んだりえぐれたりすると単純な皮膚炎より複雑な治療が必要です。
皮膚が赤くなっていてかゆみもある場合は、犬が舐めたり噛んだりし続けて皮膚の一部に刺激を与え続けることで皮膚が分厚く黒くなっていきます。
これを苔癬化といい、治療にとても長い時間が必要になります。
まとめ
今回は犬の皮膚の赤みについて解説しました。
犬の皮膚の赤みは自然治癒するような軽症のものからかゆみや痛みを伴う重症なものまであり、重症度は様々です。
皮膚の病気は早く治療に入ることで悪化を防いだり、長期の治療が必要になるような変化を防ぐことができます。
犬の皮膚について不安なことがある場合は、早めに当院までご相談ください。