犬の胃切開について|誤食グセのある犬は特に要注意

犬の胃切開について|誤食グセのある犬は特に要注意
飼い主様の中には
「以前、愛犬が誤食をして吐かせる処置をしてもらった」
「最近、うちの犬がよく吐く。また何か変なものを食べたかも」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような飼い主様は、もしかしたら今後、愛犬の胃を切る手術である胃切開について考える必要が出てくるかもしれません。
今回は、そんな犬の胃切開について解説します。
ぜひ最後まで読んでいただき、犬の胃切開についての理解を深めていただければと思います。
胃とは
胃とは、口から食べた物が食道を通り、たどり着く袋状の臓器です。
食べた物は一時的に胃に止まり、胃の粘膜から分泌される胃酸と消化酵素により消化されます。
消化してドロドロになった食事は、ゆっくりと腸に流れていきます。

犬が胃切開をする状況とは
犬が胃切開の手術を必要とする状況は、
- 異物が胃の中にある
- 腫瘍が胃の中にある
- 胃が壊死している
など様々です。
犬の胃切開が必要となる状況で最も多いのが、胃の中にある異物の摘出です。
そのため、今回は異物の摘出に焦点を当てて解説していきます。
異物が胃の中にある
異物を飲み込んだ場合は、催吐処置という吐かせる処置を行うことが可能です。
しかし、催吐処置ではうまく吐けない場合や、催吐により異物が食道で詰まったり傷つく可能性が高い場合もあります。
そういった恐れがある場合は、麻酔をかけて内視鏡や、胃切開手術による異物の摘出を考えます。
内視鏡か手術か
内視鏡か胃切開の手術をするかを迷われる飼い主さまも多いです。
内視鏡で取れる可能性が高いものと、手術でないと取れない場合について解説します。
内視鏡
内視鏡では、主に数個以下の小さいものを取ることが可能です。
例えば
- コイン
- 針
- 大きめの石
などです。
内視鏡には異物を取る方法がいくつかあり、挟んで取ることも可能ですし、包みこんで取ることもできます。
手術
胃切開の手術では、内視鏡では取れないものを取ることが可能です。
例えば
- 靴下やタオル
- 腸に引っかかっているひも状異物
- 大量の異物
などです。
内視鏡は繊細な機械なので、引っ張る力は強くありません。
そのため、大きいものや重いもの、引っかかっているものは手術で摘出します。
大量の異物が胃にある場合も内視鏡で取るには時間がかかり過ぎるため、手術で摘出します。
胃切開手術のメリット・デメリット

手術と聞くと、飼い主さまは不安になることが多いと思います。
デメリットばかり考えてしまいがちですが、メリットもしっかりとありますので、解説していきます。
ぜひお読みいただき、疑問や不安が少しでも解消できれば幸いです。
胃切開のメリット
異物摘出のために胃切開手術をするメリットは大きく分けて二つあります。
一つは胃や腸といった消化器の全体を見ることができることです。
そのため、内視鏡では観察できない場所を確認することができます。
実は異物が予想以上に多くあり、胃だけではなく腸にも詰まっていたということもあります。
二つめは安全性です。
異物が鋭利なものや、カミソリなどであっても安全に取り出すことができます。
また、大量の異物であれば胃切開手術の方が、内視鏡よりも短時間で取り出すことができ、結果的に麻酔時間が短く済みます。
胃切開のデメリット
胃切開のデメリットは
- 麻酔が必要
- 術後の食事に注意が必要
- 費用が高額
などです。
手術には麻酔が必要で、その麻酔には不整脈や低血圧などのリスクが伴います。
また、手術により胃を切りますので、術後すぐにいつものご飯をいつものように食べることはできません。
胃切開の手術後に気をつけること
手術の後は嘔吐などの消化器症状が無いかを、家でも確認しましょう。
手術で縫った胃が、裂ける可能性もあります。
その場合は胃酸がお腹の中に漏れ、激しい炎症が起きます。
もし、手術の後に元気や食欲が無い場合は、すぐに動物病院にご相談ください。
また、誤食を繰り返さないためにも、愛犬が食べてしまいそうな物が近くに無いかを今一度確認しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は犬の胃切開について解説しました。
異物の誤食は、避けることができるアクシデントの一つです。
今まで以上に愛犬の誤食に注意していきましょう。
胃切開は異物の誤食だけではなく、嘔吐や吐血などの消化器症状の原因追求のためにも必要になる可能性があります。
誤食はもちろん、消化器症状がある場合もすぐにご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.犬が誤食した場合は、必ず胃切開手術になりますか?
A.犬が誤食した場合でも、早い段階であれば吐かせる処置や内視鏡で取り出せることがあります。
ただし異物の大きさや形、引っかかり方によっては胃切開が必要になるケースもあります。
Q.内視鏡と胃切開はどのように選ばれますか?
A.異物の手術は異物の種類や、胃や腸への影響を確認したうえで方法が検討されます。
小さい異物であれば内視鏡が選ばれることがありますが、大きいものや大量の異物では胃切開が検討されます。
Q.胃切開手術のあとに気をつけることはありますか?
A.犬の胃切開後は、嘔吐や食欲低下などの変化がないかを自宅で観察することが大切です。
傷口や消化管の状態によっては合併症が起こる可能性もあるため、術後の指示を守りながら安静に過ごさせましょう。